本当の歴史 

古田 武彦 

 「これ、何と読むのか、知ってるかい。――天照大神。」 
「えーっと、テンテルダイジン。ちがうかな。」
「それ、アマテラスオオミカミ。昨日の新聞に出てた。三重県にある伊勢神宮の神さまよ。」
「そうだねえ。でも、もともとは『アマテルオオカミ』なんだ。」
「あっ、それなら、わたしにも読める。」
「その『アマテルオオカミ』は、九州の朝鮮海峡の中にある対馬(つしま)の神さまだったんだよ。」
「えーっ。」
「そう、そう、古代史の研究者、古田武彦さんの本で読んだわ。」
「その通り。もともとは、海士(あま)族の太陽神。いわば『テルテル坊主(ぼうず)』みたいな、漁民の神さまだったらしいよ。」
「それに、十月の神無月(かんなづき)には、御主人の出雲の大神のところへ、一の家来としてお参りされていたと、古田さんは書いていたわ。」
「そうだね。現地の漁師たちは、『自分のところのアマテルオオカミは一番えらい神さまだから、出雲へは最後にお参りして最初に返ってくる。他(ほか)の神さまのように『舟待ち』しないでいいんだって。』そういう伝承だって。」

「でも、それがなぜ、伊勢神宮の、否(いや)、日本の最高の神さまになったのかしら。」

「それは、古田さんの本を読めば、書いてある。日本の、生きた歴史がのべられているんだな。」

 学校の教科書にはない、日本人の本当の歴史に関心のある方は、是非この一本の道へとクリックしてみてください。